就活生なら誰でも知っている“リクナビ”、美容院、サロンを探すときにいつも使っている“ホットペッパービューティー”、車探しの“カーセンサー”、挙げるとキリがない程、世の中に情報を新たな価値として提供している企業、「リクルート」は普段の私たちの生活からは切っても切れない関係にある企業だと思います。
そんなリクルートの創業者って、誰だか知っていますか。
ソフトバンクの社長の名前や、楽天の社長の名前はすぐに出てくるのに、どうして世の中にリクルートの創業社「江副浩正(えぞえひろまさ)」の名前が出てこないのでしょうか。
実のところ、私もこの人の名前をこの本で知りました。
そして江副社長が成し遂げたこと、成し遂げられなかったこと、想像していた未来が、いかに天才的だったかを知り、様々な想いが湧いてきました。
もし、あのような事件が起こらなければ、日本は、IT産業でアメリカにここまで負けていなかったのではないか。そんなことさえ考えさせられてしまいました。
本書は、東京大学が生んだ最大のベンチャー起業家「江副浩正」の物語を中立的な立場で書かれています。
是非この本を読み、日本屈指の大企業となったリクルートのベンチャースピリットを学んでみてください。
江副浩正社長の底知れない体力
企業の社長をはじめ、経営者の多くはお化けの様な体力の持ち主が多いというのは、私のこれまでの社会人経験から学んできたことの一つであります。
勿論、リクルート創業者江副社長も例外ではありませんでした。
衝撃的だったのは夜の宴席が二階建てであったこと、宴席の一回目が6時から8時、二回目は9時から11時、そして、終わり次第会社に戻り、地下の飲み屋でクールダウンという名の三件目をほぼ毎日していたというのだから驚き。
経営者として成功される方の多くは、“頭の回転がいい”とか、“強運だ”とか、“リーダーシップがある”など、色々な人が色々な共通点を挙げていますが、私は間違いなく“桁違いの体力を持っていること”が、経営者として成功している人の共通点だと考えます。
しかも、江副社長は下戸(お酒が飲めない人)だったそうです。
ライブドア事件
本書にはライブドア事件については記載されていませんが、特に後半にかけて、ライブドアの堀江社長と重なる印象を受けました。
極めて抽象的な表現になりますが、天才過ぎて、時代や法律が全くついてこれていないような感じで、かつ、世論はそんな天才に対して“出る杭は打つ”ような対応をしてしまう。これでは誰もチャレンジしたくはないですよね。ちょっと間違えると逮捕されて、すべてを失うのですから。
最後に
良くも悪くも、ビジネスが大きく動くときは、「土地」と「株」が絡んでくるのは昭和も平成も令和も共通している点なのかもしれません。