“経営学の父“と聞いて、誰の名前が頭に浮かぶでしょうか。
私は高校生くらいの時、この人の名前を聞いて、“くすり屋を経営している人かな?“と思ったのを覚えています。
経営学の父、世界で初めて経営コンサルタントとして活躍されたと言われている経営の神様、そう、“ドラッカー”、この名前を聞いたことがある人は少なくないのではないでしょうか。
ドラッカーという名を若い世代に広めたのは、“もしドラ”で一世を風靡した「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」であるといっても過言ではないかと思います。
恥ずかしながら、私はドラッカーの本を読んだことがなく、“いつか読もう”と考えるものの、実際の経営者が書いた本が好きなあまり、いつも、寸前でドラッカーではない本を手に取ってしまっていました。
最近では、現役の経営者が記載している実際の経営の内容が、学問としての経営学と比較してみて、相違はないのか、もしあるのであればどんな点なのかを知りたくなり、とうとう、ドラッカーにたどり着きました。
ドラッカーの本を探しているときに、本屋で気になる表紙を見付けました。
それがこの“まんがと図解でわかるドラッカー”でした。
普段であれば、まんがを一切読まないのですが、少し立ち読みしてみると、その内容が、物凄く現代的なテイストで
仕上がっていたので、購入することに決めました。
経営学をしっかりと学んでみたい、でもドラッカーをいきなり読むのはキツイ、と感じている方は、是非読んでみてください!
誠実さ
銀行員時代、社内では「インテグリティー(Integrity)」という言葉をよく使われていたことを思い出します。
日本語に訳すと“誠実さ”を意味し、銀行では、業績評価と顧客志向を両立するような思考を促すためのキーワードとして用いられていました。
時として、金融マンは、顧客と利益が相反することがあります。
例えば、貸出金額の目標が100億円の営業マンがいたとして、担当企業が、ちょうど設備投資を検討中で、100億円の資金調達を行おうと考えていたとします。
営業マンがその設備投資の採算を計算したところ、極めて苦しい投資内容であり、この投資をきっかけに、担当企業の資金繰りが厳しくなることが判明しました。
そんな時、この営業マンの上司である課長・支社長はどのように考え、判断するのか。
“誠実さ”を持ったマネジメントであれば、この投資とそれに伴う資金調達をしない方が良いことを担当企業へお伝えすることが想像できますが、どうしても営業成績を良くしたいというマネジメントであれば、100億円の融資を実行するかもしれません。
この時、真に求められるのが“誠実さ”ということになりますが、これを遵守することの難しさはリーマンショックや、不正会計等、世間を騒がせた企業の事件を振り返ってみても、なかなか難しいようです。
常識や思い込み
“常識“という言葉は、とても使い方が難しいワードとなっている印象があります。
「それって常識ですよね?」だったり、「常識に囚われすぎて、発想が柔軟じゃないですよね・・・。」などなど。
ビジネスの会話の中で、“業種“というくくりで類似企業、マーケットシェアなどを考えることがまだまだ一般的かと思います。
「Appleって何業ですか?」なんて聞く人はいないのかもしれないですが、もしこれを考えるとなると、とても大変です。iPhone売ってるし、iTunesストアで音楽売ってるし、業種でくくるのは難しそうです。
日本の企業でも、ソフトバンク、楽天って何業の会社なのでしょうかね?一概に言えないですよね。
今までの業種という発想では、現代のビジネスを説明することがどんどん難しくなっていると思います。
自分も含め、“思い込み”は様々な場面で発生し、気付かぬうちに落とし穴にはまってしまっているケースが少なくないかと思います。
インフラ業界は安定している、ベンチャー企業はリスクが高い、事業会社は給料が低い、外資系企業は給与が高い、SaaSビジネスは勝ち筋だ、サブスクリプションのビジネスモデルはバリュエーションが高く付く、体育会系は粘り強い、東大生は頭が良く仕事ができる、などなど。
これって本当なのでしょうか?
このような“思い込み“がビジネスチャンスを見逃すきっかけになってしまっているかもしれません。
最後に
早速、ドラッカーの本を読むことにします!