こちらの本はサイバーエージェント社長藤田さんのノンフィクション・ドキュメンタリーとなっております。
本を読み終えた私の感想としましては、
“20代という、とても若くして成功した藤田社長が、自分でもコントロールできないくらい、半端ない活力により、良くも悪くも目まぐるしく状況が変わっていく中、若さゆえのメンタルのブレや葛藤が生々しく書かれていて、とても面白い。
また、若いっていいな。気合い入れて働くのっていいな。俺もやりて~。”
といったところになります。
藤田社長の学生時代のエピソードに親近感を覚える
藤田社長は福井県で生まれ育ち、高校卒業と同時に青山学院大学へと進学します。
青学と言えば表参道にあるキャンパスのイメージを抱かれる方も多いかと思いますが、1~2年生は神奈川県の厚木駅よりバスで30分ほどの場所にあるキャンパスで生活することとなります。藤田社長もそんなこととは知らず、憧れの都会生活のイメージとは若干異なる生活をすることとなります。
藤田社長は麻雀が好きで、厚木市内に行きつけの雀荘をみつけ、そこでバイトしながら多くの時間を過ごすこととなります。私自身も神奈川県で育っていたのでここで書かれている内容にとても親近感があり、仕事の昼休憩に少し読むつもりが1時間くらい経ってしまっておりました。。。相模(さがみ)を相撲(すもう)と読んでしまうのはあるあるです。(笑)
私が大学生だった頃、父親から本厚木駅に呼び出され、父親の会社の社長さんや同僚の方とスナックで朝まで飲んだのを思い出しました。当時、学生でお酒と言えばビールかレモンサワーだった私に、焼酎とかウイスキーを注いでくるスナックのママに不快感を抱いたことを鮮明に覚えております。
これは私の完全な偏見ですが、麻雀好きな学生の半分以上が留年する説。藤田社長も漏れなくこれに該当し、留年したそうです。
ベンチャー企業にビビる
“21世紀を代表する会社を作りたい”という強い信念からサイバーエージェントを起業するのですが、そのエナジー、働き方がえげつない。ベンチャー企業で働いたことがない私にとっては衝撃的でした。
藤田社長のハードワークっぷりもさることながら、他の従業員のスタンスが恐ろしい。誰から指示されたわけでもないのに、入社した初日に着替えと寝袋を持ってきて、「家には帰れないと思って、、」とか、「ベンチャーなんでこんな感じかと、、」とか平然と言ってるのがすごい。藤田社長も従業員数が増えて事務所を移転する時に、「シャワーもあるし、社員の人も喜んでくれるだろう、、、」的なことを言っており、マジで家帰らないでファイティングポーズとり続けてる会社だったのだろうなと震えました。
私は神奈川県藤沢市で育っておりますが、夏に江の島へ行った際に、高校の先輩に呼び止められました。その先輩はサイバーエージェントへ入社したと噂で聞いていました。こんなところで何してるんですか~?と聞いたところ、「海の家作っちゃった。(笑)」と言いながら屋根を指指しており、そこには“アメーバ”と書いてあったのを鮮明に覚えています。ベンチャーってすごいわ。
登場人物が大物過ぎ
サイバーエージェントにとって最初のヒット商品“サイバークリック”のエンジニアをしていたのが、ホリエモンこと堀江隆文さんでした。藤田社長の一つ上の先輩でもあり、現在も食事に行く程仲が良いそうです。堀江さんがエンジニアしていたとYouTubeで聞いたことがあったけど、本当にやっていたとは、、、それも若き日の藤田さんの仕事を請け負っていたとは感慨深い。
上場後に株主となり、現預金よりも低い時価総額であったサイバーエージェントに対して物いう株主でもあったのが、当時株式市場で話題を呼んでいた村上ファンドの村上さんでした。私は村上さんの“生涯投資家”という本を読ませて頂いており、その中で村上さんは藤田社長へ自社株買いを提言したと書かれているのをみて、藤田社長は村上さんの事嫌ってんじゃないのかな?と思ったのですが、そうでもなさそうでした。
上場後にITバブルの崩壊とともに、サイバーエージェントの時価総額も下落していました。その中、藤田社長は従業員の士気を高めるべくご自身で保有していたサイバーエージェント株式を従業員へ配りました。その結果、藤田社長の保有割合が22.6%と33.4%を大きく下回っていまい、拒否権がない(株主総会で社長を首になる可能性が大)状態となりました。その時、救世主のごとくサイバーエージェントの株式を約10%他の株主から買取ったのが三木谷社長でした。三木谷社長も同じIT業界で、打撃を受けている中、このような決断ができたのはすごいなと思いました。
最後に
ここでは敢えて詳細を記載しないのですが、20代の血気盛んな男はいつの時代も人間関係が目まぐるしくなりますね。新しい仲間作ったり、意見がぶつかったり、裏切ったりと忙しい。私は会社の経営者ではないですが、国内外の株式等を保有しているので、株価が上がってほしい時に上がらないときの気持ちは、とてもよく分かります。(笑)