「今期も高い目標が本部からきているよ。」
4月、10月は、上期下期の目標が通達される時期ですね。
絶望的な売上目標、本当に必要なのか理解ができない各種施策の説明。
うんざりしますよね。
私も毎期増加する目標額や、コロコロと変わる施策に何とも言えない日々を過ごしたことがあります。
(この経験を踏まえ、経営する際には変な目標を決めないようにしたいと考えていますが)
そんな中、生まれつき目標設定の高い、志が高い人物がいます。
ソフトバンクの“孫正義“です。
この方は、人生において、他人から目標数値を与えられたことがない、数少ないビジネスマンの内の一人であり、自ら率先して世界的な課題に取り組み、その期待に応えてきた人物です。
どのような環境で育ったらこのような圧倒的な人物になれるのか。
どんな性格の方なのだろうか。
本書では、孫正義の幼少期から学生時代、そして2021年現在の事業の状況や、そこに登場する仲間たちについて、細かく記載されています。実に500ページを超える本となっており、孫正義、情報革命の全貌を知るには十分過ぎる一冊となっております。
孫正義と、今後の世界で繰り広げられるイノベーションについて知りたい方は、是非この本を読んでみてください。
優秀な人であり、チャーミングな人
本書を読んで、改めて感じたことがありました。
それは、“チャーミングな人”がビジネスの世界で活躍するということ。
私が社会に出てから、幸運なことに、数多くの優秀な人と出会ってきました。
しかし、優秀な全てのビジネスマンが、社会で活躍でき、成功しているかといわれると、そうではないです。
優秀という言葉にも、多くの定義があるかと思いますが、例えば学業が優秀で問題を解く能力の高い人、新しいことに臆せず飛び込む勇気があり、どんどん前に進める能力が高い人、運動神経が良く、スポーツで高い能力を発揮している人、色々な優秀な人がいる中で、実際に成功できる人は、人から好意を持たれる、とてもチャーミングな人が多いように感じます。
ある有名なベンチャー企業にて、CEO、CFOの右腕として、経営企画ポストを作り、そこに優秀な人を採用したいという話がありました。
そこで、HR担当者が、どんな人を探しているか具体的に話をCEO、CFOを始めとする取締役にアンケートを取ったとき、キーワードとして挙がった言葉が、“チャーミングな人”でした。
経営人として新たに採用する人は、優秀な人の中でもチャーミングな人を採用したい。
その理由は、様々な人と話し合い、その話をまとめて、会社全体を前に進めるには、優秀なだけでなく、誰からも愛されるチャーミングな人でなくては効率が悪くなるためと回答がありました。
その役員たちは、有名な外資系企業の出身者が多く、スキルとか、自頭というワードが飛び交うかと思いきや、このような回答となったのは、なかなかに新鮮でした。
孫さんは、どんな人とも初対面から人を引き付ける魅力がある人であると、本書に度々記載がありました。
だからこそ、新たなこと、誰もが容易には理解できないような未来の世界にチャレンジするための交渉でも、思わず交渉相手が首を縦に振ってしまうのかなと思いました。
思いっきり任せて、ミスったら責任を負う経営スタイル
孫さんが、あるプロジェクトに集中するために、他のことの一切を部下に任せたというエピソードがありました。このプロジェクトに集中するので、一切話しかけないでくれスタイルです。
一般的な、日本の大企業でこのようなことを言われたら、地獄だと感じることと思います。
それこそ、取締役会にて孫さんの職責がどうだとか、それぞれの責任範囲が違うとか、そんな感じのブーイングが吹き荒れることも想像されます。
孫さんのスタイルそのものもすごいと思いますが、何よりも、同じ志で職務を全うしている仲間がいるということ、その仲間を信じ、結果を出してくれるという信頼関係を築けていることが、組織として最高のフォーメーションなのだなと感じました。
当然、全てが上手くいく訳ではなく、損失を発生させてしまうこともあります。
そんな時は、責任は必ず孫さんが取るというのも、この信頼関係には欠かせないスパイスであると思います。
最後に
孫さんは凄すぎて、とても真似できない。
カネコも孫社長にお会いしたことがありますが、本当にすごい方、魅力的な方でした。